現場の発見
近年、建物の木造化が加速している。
この状況は、木造を得意とする私たち建築士にとっては活躍の場が増えるので非常に嬉しい
現在、京丹後市で建築中の水産加工場があるが、これも木造だ。
現場の中を見て回ると、いろいろと発見がある。
トイレの床下配管だが、
設備屋さんの緻密な作業が見てとれる。
排水管には必ず勾配がいる。
これは緩すぎると流れない。
かといって、勾配が急すぎると固形物は取り残され、排水だけが先に流れていってしまう。
そして、床下空間には限りがある。
今回は基礎ベース天から大引き下の有効高さは「370mm」だ。
この中で、たくさんの配管を避けながらお互いの勾配を守りつつ、邪魔せずに配管をしないといけない。
建物の裏山には大きな桜の木がある。
計画当初から桜の木を傷つけることないよう、建物の配置や高さを調整してきた。
野地板を張る前に、最後に小屋組み越しに生命力に満ちた桜の木を眺めることができた。
製材され直線的になった木と、生き生きと枝葉を伸ばして育つ木の共演が対照的でなんとも面白い。
建物間の奥行きのある通路に組まれたビケ足場が、
パースグリットのようだ。
10月の竣工目指してどんどん工事が進んでいく。完成形はこれだ。